東広島市豪雨大災害 

東広島市、大災害が無いと言う神話が崩れた日
2018年7月25日記
東広島市に線状降水帯と言う集中豪雨が襲った日から18日が経過した。
未だ災禍で苦しむ多数の方がおられる中で、インフラでは山陽本線の線路が当市東端の河内(こうち)で、入野川(にゅうのがわ)に沿って崩落した。当初、全容がわからなかった。SNSでの書き込みも殆どなく唯一 ニュースで大規模に線路下の土砂が崩れた、復旧にはかなりの日数がかかる、との情報だけだった。11日ぐらいからやっとテレビでヘリからの空中写真が公開された。空からの映像しかない。近辺に人が近寄れるところが無い、と言う事であろう。現場は峡谷の様に左右から山が張り出している。
そこで、川面目線で、イメージを描いてみた。今回の豪雨災害を後々まで忘れないように、との思いを込めて。

 


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尚、山陽本線の全線復旧は、11月半ばになるらしい。

以下、今回の経緯をわかる範囲でまとめてみた。
18年7月3日(火)九州北部に被害をもたらした台風7号日本海に抜けた。九州北部豪雨が襲った朝倉市等、ニュース画面で見るにつけ、東広島は災害が無い所、と認識を新たにしたりした。
その翌日4日は、午前中雨が降り、風の強い状態は続いたが、でも午後には晴れ間が戻った。やれやれと思った。元々この月曜からの予報は晴れで、2日遅れの梅雨明けか、と思ったが。
5日(木)
朝から雨になった。途切れることのない大雨である。街では新聞配達のバイクの御老人が途方に暮れていた。荷台には未だかなりの部数の新聞がビニールで覆われて残っている。既に配達の時間は過ぎている。雨宿りをされていたがそのうちいなくなった。どうされたのか、今でも気になっている。雨が小降りの時間は無かった。
台風7号による島根県、神戸、兵庫北部、京都での土砂崩れ、大雨の被害は報道されていた。近くのニュースではない。

6日(金)
福岡県北部や、大阪南部、和歌山県での道路崩落や土砂崩れのニュースが入ってくる。
大雨は止むことなく降り続き、当地にも大雨特別警報が出た。スマホのページに東広島市全域、対象18万人余りに避難指示が出ていた。下に避難場所情報のアイコンが有ったのでタップ。だが、お近くに避難場所はありません、と出たので取りあえず無視することに。だいたい市全域等おかしな話である。地域は限定されて初めて真実味が出る。この市は南北に長く北は中国山地、南は瀬戸内海に面している。
電気水道やテレビ画面も正常、電話も問題ない。それに本当に危険が迫ればサイレン位鳴るのではないか、でもサイレンなんて有ったかな、等思った。東京の友人からは大丈夫か、とメールが入ったが、こちらは問題ない、それよりも大阪の大和川の方が心配や、と返信した。
いずれにしても、この東広島市に災害など全く夢想だにしていなかった。
後で知ったが、この日、朝はまだJR山陽線が動いていたので広島市等への通勤に支障はなかった。JR呉線は既に朝から止まっていた。東広島市にはJRしか通っていないのでそれが止まると通勤通学は致命傷となる。
日中にJRが止まり多数の帰宅難民が出た日でもある。大阪でも交通機関が乱れたそうであるが。東広島市東側の入野川で土砂崩れがあり、川沿いを走っている山陽本線のレール下の土砂が流され、線路が宙吊りになっている、と言うニュースが入ってきた。SNSでは、復旧に1週間はかかるとか、の書き込みがあった。まさかそんなにかかる筈はない、と思ったが、何と考えの甘かったことか!
7日(土)
未明、瀬戸内海の怒和島で土砂崩れ家屋全壊、朝、佐賀県ではJRが流入した土砂で列車が脱線、広島安佐北区の住宅地に土石流、竹原市松山市でも住宅地に土砂流入、昼には真備町の川氾濫、広島軒の瀬戸内海に面した坂町で山肌崩落、住宅ちに土石流、海にまで家屋流される、等々痛ましい豪雨被害が報道されている。道路は山陽道をはじめ各地で物流が寸断された。殆ど全ての申告な大災害が7日(土)の未明に起こっていたと言うことになる。就寝の時間帯である。
だが、東広島市の報道は極端に少ない。と言うか被害が広範囲過ぎてテレビなど東京のキー局はただ単に被害の大きな見えやすい地域しか報道しなかった、と言えるかもしれない。SNS でしか近くの状況は分からなかった。
特に交通機関への影響に関する報道は極端に少なかった。もしこれが東京だったら恐らく分刻みで全国放送されるであろうが。
この日、朝には大雨がやっと止んだ。その後は雨、時々曇り。
朝、最寄りのJRの駅周辺、其処は何時も大雨の時は冠水する。案の定、通行止めとなっていた。床上浸水の家屋がかなり出たらしい。80㎝。腰までつかったそうである。



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スーパーの商品棚はガラガラであった。朝にトラックが全く到着しない。
8日(日)
朝に雨が残ったが日中はやっと安定した曇り空になった。
東広島市の西側に隣接する熊野町の豪災害を報道している。
山陽道が土砂崩れで不通、他の国道もあちこちで寸断され、物流は混乱、と言うよりも完全停止の状態になっているらしい。
駅前は未だかなり冠水していて歩いてはいけない。消防車が入って水を抜いていた。市内では国道2号線の八本松西で大規模土石流。並走しているJRの線路も含め完全に土砂に埋もれている。
朝に、給油所からガソリン販売停止のメールが入った。余り車のガソリンが無かったのでパニックにある。幸い、午後には入荷したという連絡が有ったので直ぐに注ぎにいき、事なきをえた。このガソリン不足は1週間ぐらい続いたようである。中には緊急車両限定、と張り紙をした給油所も見かけた。
9日(月)
陸の孤島化した東広島市。JRでは早朝から動きが有った。新幹線丈は無傷だったので、山陽本線西条駅から新幹線の東広島駅まで無料の代替バスの運行が開始された。これを乗り継ぐことにより広島、三原方面とそれ以遠の交通は何とか確保された。だが東広島市内から如何にして西条駅に行くか、と言う問題は残る。全てが西条駅周辺に住んでいる訳ではない。
10日(火)
マツダ本社のある府中町で榎川が氾濫して、周囲の住宅地に濁流が流れ込み冠水した。上流から流れてきた流木が橋にぶつかり水をせき止めたらしい。予測のつかない災害、他にこのような危険な所はないのかな?