フェリー、ホテルの代替を兼ねて

フェリー、ホテル替わりの手段として
この様な旅行者が昨今増えているのかもしれない。

夕方、九州を出港、早朝に大阪、神戸に着く。その間の楽しみは、夕食、入浴、そしてデッキでの散策位か。僅か1泊のショートクルーズである。

○船上の賑わいについて

午後6時半の開店を前に、レストランの入り口は長蛇の列。一人旅には少しタイミングが悪い。8時半頃に行くと、だいぶ空いていた。既に食事を終えて、歓談中の客が多数残っている。今日のビュフェは9時まで、レストランは10時でクローズとなる。


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9時前ともなると、後片付けでキャビンアテンダントが忙しくトレイを持って歩いている。限られたスタッフの人数なので、殆どが仕事を掛け持ちしている。


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夕食に、灘の桜正宗等をいただいた。


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○時間軸を、広島出発時に戻そう。

何故、ホテル替わりのフェリーなのか、である。

旅程の関係で、大阪で前泊する必要があったが、予約できなかった。昨今、大阪のホテル事情はインバウンドの関係できわめてタイトである。
発想を変えて、急がば回れ、方式にした。

門司港FTからは、神戸、南港、そして泉大津への船がある。


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今回、自分がとった方法は神戸行であった。ネット割で2等シングルが7240円。元々船好の自分としては何の抵抗もなくそれを選択した。計算すると鉄道で大阪へ行きホテルに泊まるよりも格安であった。

9月初めの旅行、7月4日の豪雨災害の影響が未だに複雑に絡む。
山陽本線は7月6日の豪雨災害で、東広島市は東西で分断されていた。不通区間があり代替バス等で、通常より2時間近く余計にかかって小倉に着いた。
それに追い打ちを掛けたのが9月4日の台風21号であった。
台風21号で阪神地方、及び大阪湾沿いは高潮の大水害。その二日後、9月6日の出発であった。フェリー会社のホームページを車中で見ながらの小倉への道中。ポートアイランドのコンテナが高潮で流出して入港禁止、行先は神戸港から泉大津港に変更となっていた。

小倉駅で無料バスに乗り、新門司港へ。

5時過ぎに乗船。

岸壁を離れるフェリーから神戸行き専用のターミナルを見る。中々、こったデザインである。天気は悪いなりに魅力的。


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結構のお客さんである。ツアー客が多い。そして女性客が圧倒的に多い。皆、行先が変わったにも関わらず結構旅行を満喫しているように見えた。尤も、ツアーの添乗員は大変であろうが。何せ行先が変わったんやから。
外に出たが猛烈な風である。雨も混じっている。

 

○味気ないフェリーのデッキ

大体、この種のフェリーは、客が外の空気を吸う事に全く配慮されていない。屋根もないし側壁もない。船内のガラス越しでしか。残念な事である。

前回、記述した小豆島のブルーライン、あの船のような配慮が全くない。

(参考1)ブルーラインのデッキ
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(参考2)本船のデッキf:id:zhongjpn:20181005142347j:image

 

○二等シングルの部屋
ところで、わが船室2等シングル、7240円と言う個室のグレードであるが、これはカプセルホテルタイプではなく完全な個室であり、カードキーのドア付である。別名、ドライバーズルームとも言う。
ベッドとテーブル、ライトとコンセントそしてスリッパと浴衣。だが、一人旅には十分。レストランがあり、大浴場もある。カプセルの様な圧迫感は全くない。


○大浴場
大きな窓沿いに結構広い湯舟が二つ。片方はジェットバスで、そちらに入る。ゆったりとした気分になり疲れが癒される。客はまばら。でも大きな窓、折角あっても殆どが夜の航海なので、全く役に立たない。何と勿体ない。これは、九州と阪神を結ぶトラック輸送フェリーの宿命か。夕方出て、朝に着く。

 

○翌朝も雨混じりの強風で、殆どデッキには出なかった。否、出られなかった。到着時間は元々7時過ぎに神戸着が、9時に泉大津港着となった。

こちら泉南は、関空を始め台風の甚大な被害のあった地域である。南海泉大津駅へのバスの車窓から、倒れた電柱、街路樹、傾いたままの停電の信号機、折れ曲がったテレビアンテナ等々。

一般家庭での停電もかなり続いていたそうである。